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2022年3月15日 (火)

「 対等な支援 」と NPO・GRA


■ 「してあげる」の言葉

 

教育系TV番組を観ていた時、「してあげる」という言葉への違和感を改めて強く感じさせられたのです。それは、参加している高校生達に対して、「白杖(はくじょう)を持った視覚障害の人が、横断歩道で立ち止まっていたらどうしますか?」と質問した後、答えた高校生と司会者の双方が「してあげる」の言葉を当たり前の様に使っていたからです。

人は誰でも、出来る事と出来ない事があり、一人だけでは出来ない事も多くあるのが当たり前です。だから、他の人が出来ない事があったり困っている事があれば、それを支援するのが当然の事で、全員が平等で対等であるからこそ社会が成り立っているのです。だから、他の人を支援する場合は、支援を「する」や「しない」、「できない」の言葉はあっても、対等な人間関係を壊す力のある「してあげる」の言葉は使うべきではないのです。
   
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■ “対等” が社会の基本
  
仮に、支援を行なった時に「してあげた」という言葉を、例え口に出さなかったとしても、頭の中で使ってしまうと、相手に対して優越的な立場に立った意識と行動に繋がります。そして、行なった支援を常に良い行動として肯定してしまう事にも繋がります。
本来、支援の評価は支援を行なう側が行なうものではありませんし、自己満足の為でも道徳的教えの実践の場に留まっていても良くありません。支援に対する評価は、支援を受けた人が評価すべきものです。その評価を確認する事もなく、ただ「してあげた」という意識に留まれば、相手側の人は迷惑であったり、優越的意識に対して劣位的意識を持たされる危険性があるのです。人は全て対等ですから、自身の意識だけを先行させてはいけないのです。
   
ただ、大変に残念な事ですが、“対等” な意識の欠如は社会に浸透していて、それが様々な場面で “優位的対応” と “劣位的従属” を生み出し、個人の人格や尊厳、生命を脅かしているのです。
その一例が、正式判決前の容疑者への対応であったり、生活保護申請の窓口での対応、それに信号機の無い横断歩道などで、個人の権利を守っている法律が無視されている事などです。
   
一方、時には支援を受ける側にも問題がある場合があります。それは、支援を受けるのは当然の権利だと誤解してしまう事です。行政や一定の収益が得られる団体が行なう支援であれば、支援を受ける権利を主張したとしても大きな問題にはなりません。しかし、収益を目的としない個人や団体が行なう支援に対しでも、支援を受けるのは当然の権利と考えるのは完全に誤りですが、そういう意識を持つ人は決して少なくないのも現実です。 これも、人はお互いに対等だという理解が欠けているのが原因です。
    
そんな対等意識が欠如した場面は社会の中で多くあります。一例を挙げれば、生活に困窮した人に対して支援を行なう仕事をしている役所があります。生活保護の申請窓口では、役所側の担当者は「してあげる」的な意識で対応を行ない、支援を受ける側は「してもらう」的な意識で申請を行なう為、対等な位置関係は崩れ、公務員は本来の責任を忘れた対応や態度に陥り易いのです。例え、どんな人であっても対等であるという意識が共有すれば、この社会はもっと良くなるでしょう。

 

 

■ NPO法人と GRA

ここで、私が主宰する NPO法人GRAも、そんな社会の悪癖の影響に直面してきた事を紹介します。 GRAは、オートバイに乗るライダーを対象に、長年の活動で蓄積した知識や楽しさを広く社会へ伝える活動を、30年以上前から行なっています。そして、現在は、社会的な貢献活動が認められて NPO法人として認定され、収益を目的としない活動であるだけでなく、運営を担っている全員が無報酬で活動をしています。ただし、オートバイを所有している人が対象ですから、当然、生活が困窮している人を対象にした活動ではありませんが、オートバイを操作する技術を高める事だけでなく、オートバイやライダーを取り巻く社会環境を良くする事を最終的な目標にしていて、ライダーと社会への「支援」を行なっている組織です。
   
ところが、そんな収益を目的としない NPO活動であるにも関わらず、開催したイベントに参加する人の中には、GRAの目標や活動内容の案内は読まず、“お客様” 意識を持ったまま参加する人が少なくないのです。 更に、活動の主旨や目的を重ねて説明しても、自身の楽しみの追及だけに興味を持ち、企画運営側の意図を見て見ないふりをする人も少なくないのです。
    
収益目的で活動を行なっている団体やイベントであれば、参加者が “お客様” 意識に陥ってしまっても当然かも知れません。 しかし、社会には収益目的では運営されていない団体が数多くあるのが常識です。お金を払って参加すれば客様であり、講習を受ける場合であれば、教えてもらうのが当然の権利だという意識は常に正しいとは限りません。 人が “対等” に支え合うのが社会の原則を理解するならば、参加費というお金が介在しただけで、一方的に相手の考えを無視して優位的に振る舞う事は完全に誤りだと言えます。
   
この様に、参加した人に「人は対等」という意識が欠けたままでは、「支援」活動を壊す原因に繋がるだけでなく、講習・支援の成果で仮にオートバイの運転が上達したとしても、社会の中で誇れるライダーとは言えず、ライダーを含めた社会環境を良くする人にはならないと私達は信じているので、長年に亘り試行錯誤を繰り返して、現在の様に『心』『技』『体』『バイク』の4つの要素全てをバランス良く整える大切さを強くアピールする活動をしています。
   
そして、GRAやNPO法人に限らず、人は誰もが対等に社会を「支援」する役割を担っている事を自覚し、一人ひとりが自ら NPO的活動を行なえば、社会は更に良くなると信じています。

 



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