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2021年7月

2021年7月21日 (水)

前後の車高バランス調整(2)と フロント車高の測定 / オートバイとライダーのための “ クリニック ” より

   
『 車高バランスが左右する旋回(コーナリング) 』

オートバイにとって、前後のタイヤが一緒に旋回を始める事がとても大切です。しかし、多くのライダーは、自然にそうなっていると勝手に思い込み、前後のタイヤの旋回の “ ズレ ” の存在を知らず、意識もしていません。しかし、旋回の “ ズレ ” は、タイヤの適切な性能発揮を妨げて、オートバイの安全性をスポイルして、ライダーに不安感を与える原因になっています。
    

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前後のタイヤを一緒に旋回を始めさせるには、安全を確保された平滑なエリアで、低速、ノーブレーキ走行で、バンクを開始した瞬間で確認する「 前後の車高バランス調整 」が必要です。そして、簡単なセクションを使い、ノーブレーキで行なうからこそ、ライダー本人だけでなく周囲の人にもはっきりと違いが確認できるのです。
しかし、確認に使うエリアの安全性が無かったり、複雑なコースセクションでの走行や、ブレーキを使った確認走行では、調整以外の要素が多過ぎて正しく判断できません。また、同じ車両でも、ライダーが異なれば、当然、異なる判断結果になる事は忘れてはいけません。
   
そして、実際の道路を走行する状況を想定するならば、バンク時の旋回やブレーキで増すフロント荷重や路面凹凸による、フロント(ステアリング)の自動操舵が加わる事を考慮して、低荷重走行でノーブレーキで行なう「前後車高バランス調整」では、バランス点よりもフロント車高を 0.5~1.0mm 低くする調整がお勧めです。

 



 『 フロント車高(乗車時 / 1G’時)の測定の重要性 』

前後の車高バランス調整は、0.5mm の違いでバランスが変化する程に緻密な調整で、オートバイ全体の操縦性や安定性を左右する大きな要素ですから、調整で求めたフロントの車高は、乗車時状態で、フロントフォークのストローク位置とフォーク固定位置を測定して記録しておく事がとても大切です。
    
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そして、フロントフォークを分解整備した場合は当然の事、プリロード量やスプリング、油面高さ等を変更した場合も、必ず前後車高バランス調整で求めた車高(乗車時)に合せる事が基本です。もし、その作業を行なわず、フロント車高を適正な値に調整をしなければ、旋回時の車両バランスが崩れrますし、スプリングや油面高さを変更した場合の適正な評価も不可能になります。




『 ストローク時のフロント車高について 』

バンク開始時の前後タイヤの旋回同調をとる車高バランス調整を行なった後は、フロントサスペンション(フォーク)がストロークした時の、フロントタイヤに働く方向安定性(タイヤの向きに進もうとする要素)と旋回モーメント(フロントタイヤを旋回方向へとする要素)とのバランスをとる作業が重要です。
そして、このバランスが欠けた車両では、「 旋回時は不安定で怖い 」とか「 思った様には曲がらない 」などの不安定な状態になっているのが一般的です。
    
この旋回時(ストローク時)の旋回バランスについては、別途、改めて別コラムで解説をしますので、いつまでも、楽しく、安全なオートバイライフを追及したい人は、是非、ご期待ください。
  
  







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2021年7月20日 (火)

前後の車高バランス調整(1)/ オートバイとライダーのための “ クリニック ” より

  
『 前後の車高バランスとは 』
  
オートバイのセッティング(調整)と言うと、プリロードやダンパー(減衰力)の調整などに関心が偏っていますが、それらと同じ様に動的な車両バランスを整えないと、個々の部品の性能は正しく発揮できない事は広く知られていません。
  
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この動的な車両バランスを整える要素の中で、一番重要なのが、前後のタイヤの動きを同調(シンクロ)させる「前後車高のバランス調整」で、リアタイアのグリップ力と安定性を確保する「リアの車高調整」に続いて、リアの車高とフロントの車高をバランスさせる作業が「前後の車高バランスの調整」です。
そして、この前後車高のバランスを整える事で、バンク時に前後のタイヤが同時に旋回を始められて、前後バランスの良い旋回姿勢へと繋げられるのです。つまり、前後の車高バランスを合せた後で、バンクさせて旋回中の、フロントサスペンションをストロークさせた時のフロント車高(トレール量)の調整へと繋げられるのです。




『 前後の車高バランスの確認方法 』

前後の車高バランスの確認方法は、低速(10㎞/hほど)で直進走行を行ない、ノーブレーキのまま特定の地点で旋回バンクさせた瞬間だけ、バンク角で5~10度傾ける瞬間、車体(リア)のバンク動作とフロント(ステアリング)の自動操舵(自然に舵角がつく)が同調しているかを確認します。
   
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リアのバンク動作とフロントの自動操舵が同調(同時)するバランス点(転換点)よりフロントの車高が高いと、フロント(ステアリング)の自動操舵がバンク動作よりも早く表われ、逆にバランス点(転換点)より低いとバンク動作に一瞬遅れて自動操舵が始まります。
そして、この前後が同調するバランス点付近の調整は大変に繊細で、フロント車高 1mm 以下の調整でもはっきりと挙動で確認する事ができます。










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2021年7月19日 (月)

最適なダンパー調整とは / オートバイとライダーのための “ クリニック ” より

  
『 間違いだらけのダンパー調整 』
    
最近では、市販オートバイの多くで、前後サスペンションにダンパー(減衰力)調整用ダイヤルが最初から装備されているのは珍しくありません。

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それに合わせて、「 〇〇〇(車名)の リアの伸び側(Tension)のダンパー調整は **(ダイヤル数)で、縮み側(Compression)は ・・・がベストだ!」など、ダンパー調整本来の目的を無視した記事・投稿も多くなっています。
更には、プロと称するライダーが、「 △△△(車名)のダンパー調整は、高速道路を走る時は ** で、市街地走行では ***、山道(ワインディング)を走る時は **** だ 」などと、ダンパー本来の働きさえ理解せず、一方的に危険な情報を発信している例も少なくありません。
      
そのため、ダンパー調整機構が備わった車両を購入した人や、高額な社外製サスペンションユニットを装着した人の多くは、調整への関心や機会はあるものの、車両メーカーやサスペンションユニットメーカーから適切な調整方法を知らされず、一方的で誤った投稿や情報の中で彷徨い、高価な買い物の真価を発揮できずにいる状態だと言えます。


 
 

『 ドアクローザとダンパー調整 』
   
サスペンションの働きを説明する際、時々、話題にするのが「ドアクローザ」です。ドアクローザとは、扉の上部によく取り付けられている装置で、出入りの為に開けた扉を自動的に閉める役割の装置です。

  
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ドアクローザの仕組みはオートバイのサスペンションと同じで、スプリングとダンパーがセットで組み込まれています。そして、ダンパーはドアが閉まる時の動き(速度)を最適にコントロールしているのですが、殆どのドアクローザには “ダンバー調整ダイヤル(弁)” が備わっている事は知られていません。
    
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その上、オートバイでは一般的ではなかった時代から、ドアクローザには既に調整弁が備わっていて、少ない機種でも1個、多い機種では 3個の調整弁が備わっているのが一般的なほどに、ドアクローザーのダンパー調整機構は緻密で、調整機構の重要性と必要性が高く認められているのです。
  
 
  
  

『 最適なダンパー調整は 』

最適なダンパー調整を、ドアクローザの場合に当て嵌めて説明してみましょう。
開けたドアが閉まり切る直前までは、スプリングの力で閉まろうとするドアの動きを強くは抑えず、閉まる直前になってから制御を強める様にする調整が最適でしょう。
つまり、開けたドアが閉じていく時の速度は危険でない程度に少し早目にして、閉まり切る直前には大きな衝撃や音が出ない様に速度を抑えて、かと言って、完全に閉まり切らない様なダンパー調整は良くないのです。
   
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実際に、ドアクローザのダンパー調整を行なってみると理解できますが、理想的なドアの閉まり方を求めると、そのダンパー調整には微妙な調整が必要で、最適(最善)の調整値は一つしかないのです。その上、同じドアとドアクローザでも、家や部屋が異なると、最適(最善)の調整値は同じでない事にも気付くでしょう。
実は、オートバイのダンパー調整もドアクローザと基本は同じで、使用車両やライダーによって最適な調整値が異なるのは当たり前の事です。 ただ、一番の問題は、ドア以上に人の命に関わるダンパー調整なのに、その最適な調整方法と調整場所を責任を持って提供しているメーカーが一つも無い事です。そこが、ドアクローザの製造メーカーと大きく異なり、オートバイ業界のとても残念な点です。

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2021年7月16日 (金)

『 リアの車高調整 』の 第2編です / オートバイとライダーのための “ クリニック ” より

   
9m四方(正方形)のセクションコース(4本四角パイロンコース)で走行確認を行なったところ、車両の挙動を充分に掴み切れないという事になり、改めて 10m四方に変更したセクションでの走行確認の様子です。バンク中のアクセル操作でリアが外に出る挙動が確認できます。
  



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