« 『 トレールコントロール ライディング 』の記事作成、進行中の案内です。 | トップページ | 『 トレールコントロール ライディング 』2ページ目 追加掲載の案内 »

2022年5月30日 (月)

「キャスター」ではなく、「ステアリング(回転)軸角」と書きます

  
『 日本特有の「キャスター」 』


現在、日本の二輪業界では「キャスター」という言葉がよく使われてますがが、実際のオートバイには「キャスター」らしき部品はありません。

Web1000_caster_img
   
また、専門誌のライターでさえ、「キャスター」という言葉で角度を表現させていますが、角度を表現するならばキャスター角とするべきで、適切な理解を求めるならば、「キャスター」という言葉の利用には慎重になるべきでしょう。


 


 


『 自転車や欧州メーカーでの表記 』


実は、自転車の世界では「ステアリング(回転)軸角」という表記が一般的で、その角度は路面からの角度を示していて、日本での「キャスター」が鉛直方向からの角度としているのとは異なります。

Web1000_bicycle_name

また、自転車に限らず、欧州主要二輪メーカーでは、角度を示すための「キャスター」という表現は無く、「ステアリング軸角度」や「ステアリングヘッド角度」として、路面からの角度で示されるのが一般的です。

Web1000_bmw_motorrad_20220530055301
  
以上の理由で、「ステアリング回転軸角(キャスター)」と書く事にします。
また、角度の測定方法も、路面からの角度を「ステアリング回転軸角」と書きます。


 


 


『 四輪業界での「キングピン」と同じ 』


実は、四輪業界でも「キングピン角度」という言葉が最近までよく使われていて、整備の国家試験にも出てくる程でしたが、現在は改められつつあります。
それは、「キングピン」という物は現在も形を変えて残っていますが、一般的な乗用車には「キングピン」は無く、より適切な表現をする為に使われなくなっているのです。


 


 


『 キングピンとは 』


キングピンとは、歴史は古くて、四輪式の馬車の時代に遡ります。馬車の前二輪は、馬の向きに合わせて向きが変わる様に、ターンテーブルステアリング方式と呼ばれる、前2輪のフレームと馬車とは 1本の太い「回転軸」で繋がっていて、これが「キングピン」のルーツです。

Web1000_b_wikibakersvan
  
19世紀末、馬車から自動車の時代に移った際、前輪の向きを変える機構の部品の一部を「キンギピン」と呼んでいたのですが、21世紀の現代、一般乗用車で「キングピン」がある車両は殆ど無くなっているので、より適切な「ステアリング(回転)軸角度」等の表現に訂正されています。

Web1000_wiki_ford_08
  
ただ、現代でも「キングピン」が発明された当時のまま残っている車両が多く走っています。それは、トレーラー(被牽引車両)の連結部分にあります。名称は、「第5輪」とか「カプラー」と「ピン」など呼ばれていますが、馬車が発明された当時からの「キングピン」の構造そのものです。


 


Web1000_semitrailertruck
Web1000_b_wikiterberg_





Web1000_2022_topimg_20220203001001
https://gra-npo.org







クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
ページ中の画像は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています
文章等は許可無く転載することを禁じます / Copyright GRA All Rights Reserved.












« 『 トレールコントロール ライディング 』の記事作成、進行中の案内です。 | トップページ | 『 トレールコントロール ライディング 』2ページ目 追加掲載の案内 »

【妖怪講座】整備&セッティングの基本」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 『 トレールコントロール ライディング 』の記事作成、進行中の案内です。 | トップページ | 『 トレールコントロール ライディング 』2ページ目 追加掲載の案内 »

GRA代表:小林の紹介

2024年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
無料ブログはココログ