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2020年11月12日 (木)

エンジントラブル と ウォーニングランプ の続報

   
先日、トライアンフのトラ君のエンジントラブル修理の際、エンジン等の診断ウォーニングランプの件を報告したところ、多くの方からアドバイスやサポートをして貰えたので、そのウォーニング関連の続報を届けます。
   
主にエンジン等の機能を診断して警告を出すウォーニングランプは、60年以上前からある水温や油圧のウォーニングランプとは異なり、電子式燃料噴射エンジンが登場する様になってからなので、今から40年程前からあるランプの事。
このランプは事前に設定した距離を走行したり、センサーで設定値以上の値を一度でも検知すると点灯するもので、例えランプが点灯していてもエンジン制御・本部の ECU(エンジン コントロール ユニット)は基本的な安全設定に戻る仕組み(フェイルセーフ)だから、水温や油圧さえ問題なければエンジンは壊れない事は常識だ。
   
しかし、速度警告灯(古い!)以上に目障りなウォーニングランプだから消してしまいたい。しかし、自己診断テスターで診る事で修理サービスだと誤解している所へ持ち込んでお金を払うのはモッタイナイので、幾つか手配してみました。
アドバイスを下さった方々のご指導とは別な道を歩んでいると思いますが、どうぞ、天邪鬼(あまのじゃく)な奴だと思ってご容赦ください。

 
 

 

【 時代と共に変化する自己診断 】
   
1970年代後半、電子制御式燃料噴射車・Dジェトロ車が増えるに従って、診断にかける時間を短縮する為の機器や診断ノウハウは数多くあって、当初は オシロスコープを使ったり診断ランプの点滅回数での診断が一般的だったのを覚えています。その頃は、メーカー毎に専用の診断ツールキット(一般にアナライザーと呼ばれていました)があったものの、車両価格の数倍の価格がして、限られたディーラー系の工場に導入されるに留まっていたものです。
   
しかし、1980年代、電子燃料噴射車の増加と共に、様々な車の診断に対応できるアナライザー(テスター)がバンザイや弥栄(いやさか)などの整備ツールメーカーから販売される様になり、排ガス検査機器と共に一般の整備工場へも導入が進んだものです。
     
そして、1980年代後半、米国が米国内で販売される乗用車(乗用トラックを含む)に診断テスターに接続する為の端子を標準装備する事を法制化し、米国市場に依存する各車両メーカーは 診断用の端子・OBD を標準装備とする様になり、それが二輪車にも適応されて現在に至っています。
  
画像は、1970年代から 1980年代にかけて、国内の整備工場で多く使用されてきた自己診断用ツールの一部です。

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左は、OBD 端子と PC を接続してデータを読み込む為のケーブルで、RS232C という端子が往時のツールだと示しています。
右は、1970年代、BMW車に装備されていた自己診断用端子専用のツールで、簡単なチェック機能以外にウォーニングランプのキャンセル(消灯)機能が入っています。
中央は、1980~1990年代のツールでしょうか、ウォーニングランプのキャンセル(消灯)の機能だけのツールで、国産各社別に切り替え用のダイヤルが背面にあります。

 

 

 

【 今後の方針 】

 

四輪車の場合には、ウォーニングランプ点灯は エアバッグ機能不全などの警告も含んでいるけど、二輪車の場合には水温、気温、気圧などのセンサー類のチェックが主体だから、家電製品の取扱い説明書の最初に書かれている警告マーク「取扱いを誤ると重篤な事故を招きます」という言葉以上ではない。だから、ウォーニングランプ点灯は無視して、エンジン停止トラブルの原因探究と修理を進めていこうと考えています。
   
エンジン再始動の後、暫くするとエンジン回転数が下がり、やがて停止するという症状からみて、燃料圧力と電圧が容疑者の候補となる。
燃料圧力だとすれば、再始動の際に燃料ポンプは回って圧力が高まっている事はセルモーターが回る事から判断できるが、その後の 燃料ポンプの作動状況はチェックできていないし、それは OBD テスターでも診断は出来ない項目だ。だから、燃料ポンプを外して単独で作動テスト、吐出量確認、そしてライン上の水や異物の混入をチェックします。インジェクター本体の “つまり” を指摘下さった方へ、お赦しください、“食わず嫌い” な奴で、出来ればインジェクター容疑者のセンは最後に廻します。
    
そして電圧関係というのは、電子燃料噴式エンジンの場合、コントロールユニット(ECU)に安定した電気が供給される事が前提で、電圧変調やスパイク状のノイズが混入して防御回路をすり抜けてしまうと、その段階でエンジン制御も不安定に陥るという事になる。これは オシロスコープ診断の世界で、とても 簡素な OBD テスターでは無理な注文になる。だから、バッテリー交換に始まり、ECU 本体を含めたアース系統の点検整備を行なってみるつもりです。
   
その上で、エンジンにとって最も大切な 油圧センサー と 水温センサーを、個別にサーキットテスターでチェックすれば、問題無く走り続けられるでしょう。

 

 

 

【 整備サービスへの一言 】
  
多くの整備工場で使われなくなってゴロゴロしている OBD 用のテスター・キャンセラーを購入( 2~3,000円程度)するのも無駄だし、そもそも OBD 規格自体が随分と時代遅れとしか思えない。
市販テスターが 3,000円程度で販売されているならば 製造原価は 1,000円を確実に下回る。その程度のコストなら、メーカーは標準装備すれば良いし、メーターパネル上でチェックできる機能を付けるのも簡単な筈だ。車両メーカーによる、購入者を車両整備産業に従属させる為のツールにさえ見える。

    
その上、整備作業者の判断能力は低下している事は否定できない。
本来は、故障した箇所を探究して、その故障した原因を探って対処して、最後に故障した部品を交換するのが修理・整備だ。
しかし、安易に診断ツールだけに頼り、その診断結果に従って破損部品を交換するだけの交換マン(人呼んで チェンジニア)になり下がり、一番大切な破損した原因を取り除く正確な判断と判断は出来ず、当たり障りのない診断しか行なえない者ばかり増えている。 まるで、血液検査結果を診ただけで、一般的な診断を言葉にするだけで、その個人の合った正確な診断も出来ず、処方箋を書くのが仕事だと思っている内科医と一緒だ。そして、そんな医者に頼る様な 車両ユーザーばかりになっているのも困ったものだ。
   
せめて、今となっては時代遅れの規格と言うべき自己診断規格・OBD に縛られる事なく、オートバイ本来の機能を正しく保つ事に関心を持つライダーが増えて欲しいと願う。
空気圧だけをチェックしてタイヤの賞味期限に関心を持たないのは変だし、エンジンオイルを定期交換しながらフォークオイルを同程度に定期交換しないのも変。ユーザーに合わせてリアのプリロードを合せない販売店も変だし、チェーンの適正調整の確認が分からずにユーザーを危険な目に遭わせている販売店も変。
  
そんな風に、安全で楽しくオートバイを走らせ、他の人への危険を招かない為の整備や調整の基本に、ライダー自身は関心と責任を持つべきだと思う。



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