トライアンフのトラ君、ピポットインサート交換とその後
トラ君、つまり 初期型・トライアンフ、ストリートトリプルのリア サスペンション設計は、プログレッシブレート設定になっていない為に作動始めが鈍く、タイヤのグリップ感が得られない(トラクションが与え難い)という悪癖があるたけでなく、前後サスペンションの設定自体も操縦性のキャパシテイが欠けるという理解に苦しむ設定だ。
その為、購入以来、リアサスペンションではユニット交換は当然の事として、作動フリクションを減らしてスムーズな作動を求めて、最適スプリングレートへの変更、スプリングのフローティング化、リンク機構のボルトを全てフローティング化して、リアホイールアクスルナット他サスペンション関連の固定ボルトの締付けトルクを20%以上減らして、それぞれに良い感触を得てきた。しかし、そんな様々な変更や工夫を重ねてきたけど、もう一つ、煮え切らない感触が喉の奥に残っていた.。
そんな時、スイングアームをフレームに取り付けている箇所・ピボットの位置を変えてみる事にした。幸いな事に、トラ君のピボット部は、兄弟車のデイトナ675 の性格を演出する為に、取付け位置と剛性を変更する為に交換式になっていた。
僕は、購入したストリートトリプルは ツーリング用にセットしてあると判断していたので、購入直後から デイトナ675用に交換していたけど、それを元からついていた部品(スイングアーム ピボット インサート)へと戻す事にしてみたのだ。
戻すと言っても、スイングアームの垂れ角(対地角度)は 変えられないから、元通りにつけてセッティングをすると車高が更に上がってしまう。 ピボット位置をデイトナ675より上に上げたいので、元からついていた部品を上下さかさまに取り付けて、しかも剛性も下げる事ができた。
それから、新型コロナウイルス騒ぎがあって、暫くきちんと乗ってやれなかったけど、専用エリアでテストをすると良い感触だ。まるで 車体が一回り小さくなり、リアの動きも敏感に感じられる様になった。
ただ、問題点もあった。
ピボット位置を 約 3mm上に上げた関係で、リアサスペンションユニットを短くしないとスイングアーム垂れ角(対地角度)が適正にならず、リアのグリップが充分に得られない。
そこで、車高調整用ボルトを最短に調整してみたけど、まだ、対地角度がつき過ぎていて、リアタイヤの接地面に正しく荷重が与えられない感触は残ったままだ。
このままでは埒があかない。
サスペンションユニットの車高調整用ボルトを取り外して、ボルトを約2.5mm 研削して短くして、ロックナットも 0.2mm ほど研削して短くした。
これで、垂れ角(対地角度)が最適値になれば良いけど、もしならなかったら ロックナットを外して省略する方法も残っている。元々、ユニット本体は回転したがる性格ではないし、スラストベアリングでスプリングをフローティング化しているから、尚更、ロックナットが無くても勝手に一人歩きするものではない。
以前から、ロックナットをきちんと固定しない事も多く、定期的にマーキング位置を確認すればさほど問題にはならないだろう。
それより問題なのは、スイングアームに最適な垂れ角をつけられない事なのだ。
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