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2020年1月 5日 (日)

オーリンズの改良記録 ” Modification of Ohlins " 「妖怪ガレージ日誌」

  
オーリンズなど、社外製のサスペンション ユニット に交換している人は少なくない。
タイヤ交換に次いで、オートバイが持っている性能を正しく発揮させる為には、とても有効な手段だ。
 
しかし、車両価格の 1/5 程もする高額な部品、充分にその特徴や性能を発揮させている人は決して多くない。
「 〇〇車専用 」として販売されている品をそのまま装着して、ダイヤルを少し触って終わりでは “宝の持ち腐れ” だ。
 
実は、ダイヤルでのダンパー調整や車高調整の前に、頭に入れておくべき事がある。
 

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『 サスペンションユニットの事情 』
  
先ず、「 〇〇車専用 」として販売されている サスペンション ユニット は、車両メーカーに純正装着されているユニットに “近い” 仕様で販売されている事を知ってて欲しい。 “ 近い ” と言っているのは、ユニットメーカー側の事情で、「 純正装備されているユニットと、同じレートのスプリングで、そのレートに合ったダンピング特性にして、全長も標準品と同じにできます 」という仕上がりになっているからだ。
    
その理由は、それら社外製ユニットは、純正装備の品の様に、特定の車両に合わせて専門スタッフが専用のテストコースを走らせて熟成させた専用設計の品とは違うからだ。
社外製ユニットは、その車両に装着して、専門スタッフが専用のコースで走行テストを重ねた専用設計の品ではなく、数種類の基本的な部品を、標準装備品に似せて “組み立て” て、「装着可能です」と言って販売している品に過ぎないからだ。
つまり、装着した後には、車両とライダーに合わせて、プリロード調整や車高調整、そしてダンパー調整を適確に行なう必要があるのだ。そして、それをしなければ ノーマル以下の性能しか出せない事にもなる。
   
その上で、数種類のピストンやシリンダーなど基本的な部品の組み合わせで、ほとんどの車両に適応可能な製品を組み立てている事を利用しなくてはモッタイない。
大切なスプリングを、乗る人に適したスプリングレートを指定して注文したり、購入した後でスプリングを交換する事も可能だし、変更したスプリングレートに合わせてダンパー内の部品交換をして設定変更ができる事も忘れてはいけない。
     
「〇〇車専用」とか「装着可能」として販売されている “近い” 状態の品を、本物の “専用品” に出来るか出来ないかは あなた次第だと知っておいて欲しい。
 
 
 
『 悩みの、スプリングレート 』
   
サスペンション ユニットの内で、一番大切な部品は? と問われば 「 それは、スプリング 」と言って間違いない。( 何度も言っておきます )
そして、スプリングで一番大切な要素は? と問われば 「 それは、スプリングレート 」で間違いない。
   
スプリング レートとは、簡単に言えば 堅いか柔らかいかの事で、ベッドのマットレス の反発力の大きさと同じだ。
小柄で体重の軽い赤ちゃんや幼児なら柔らかいマットレスが合う様に、小柄で体重の軽いライダーに適したスプリング(レート)と、大柄で重いライダーに適したスプリング(レート)は違うのが当たり前。
特に、オートバイの場合には、サスペンションは安全に深く関わるサスペンションだから、乗る人に合ったスプリング(レート)を選ぶのが一番だ。
   
しかし、困った事に、車両メーカーが純正で設定しているスプリング(レート)に疑問を感じる事が少なくないのだ。
特に感じるのは、SS車、レーストラックを趣味で走る事を前提に設計されて、トラックテストでの評価で販売成績が変わる車両のスプリング(レート)だ。街中の走行では、とても安心して曲がれず、雨の下り坂コーナーだと恐怖さえ感じる車両が少なくない。
    
それなのに、社外製ユニットのメーカーは、純正設定のスプリングレートのまま組み立てて販売しているから、その事で悩んでいる人は気をつけるべきだろう。純正装備の品や標準仕様の社外製ユニットでは、楽しめず恐さを感じているならば、発売元(多くは輸入・組立・販売会社)に連絡をして、スプリング(レート)の交換とレート変更に合わせたダンパー仕様の変更を打診するべきだと思う。
それに快く対応してくれる発売元であれば、大切な オーバーホール作業の依頼時に微調整も安心して頼めるし、技術力と信頼性のある販売元を確認する為にも、更に都合が良い。

   

 
 
『 スプリングの性格 』

  
スプリング レート 以外にも、スプリング の性格を左右するものがある。 それは スプリングの品質だ。 多くの人はスプリングは どれも同じだと思っていると思うけど、それは違う。どの製品でも同じ様に バネ鋼 の素材を 熱して成形しているけど、バネ鋼の材質と成形処理の緻密さ、そして 完成後の製品検査のレベルでその品質は大きく違うもの。
  
実際、僕は色々な メーカーのスプリングに出逢ってきたけど、一番のお気に入りは、成形後の検査がとても厳格なので、検査で合格する製品の歩留まりが 2割程度と言われる“ハイパーコイルズ社 ” のスプリングだ。 微少なストローク時から感触が違い、同じ道を走っても、これを装着すると ロールスロイスの様に(乗った事無し、イメージで)しっとりと湿った様な滑らかな感触になるから不思議だ。
 
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『 オーリンズ専用、黄色いスプリング 』
   
オーリンズ製品専用スプリング で 困った事は、その色・黄色ではなく、独自の 内径(スプリング内側の直径)規格の製品を採用している事だ。一般的に、殆どの 社外製ユニットメーカーは、共通規格の 内径のスプリングを装着できる様になっているのと較べれば、オーリンズはずっと小さい内径のスプリングで独自路線を目指しているのだ。
    
先に書いたように、スプリングの品質でユニットの性能の多くが決まるけど、専用のあの黄色いスプリングの品質は “並” ・一般レベルの感触で満足できず、他社製スプリングへ交換を決断したので加工が必要になった。
変更するスプリングの内径に合わせて、リテーナー(台座)という部品を設計・製作して、同時に、スラストベアリングが装着できる様にして、スプリングの性能を充分に発揮できる様にストレス対策も可能になったのだ。

 

 

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http://gra-npo.org/policy/yokai_column/list_youkai_column.html#garage





 

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