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2019年7月24日 (水)

フィールドワーク 雑感 (BMW)

  
先日、フィールドワークと称して、BMWの正規販売店へ見学に行った。
もちろん、事前に打診を取り、担当者の方に了解を得ておいた。
  
何故、販売店へ行くのに事前了承を取るかと言えば、勉強の為だからだ。
行けば、最低でも 1時間以上は見続ける “ 癖 ” があるし、同時に 写真撮影を行なうので、店舗にとってみれば邪魔な存在でしかない、と自覚しているからだ。
  
  
 

『 BMW の 印象 』
   
BMW の車両には良い印象があった。
水平対向 2気筒車や 並列 2気筒車 の車両には、市街地や展示会コースでの試乗ではなく、走行用に借り切った会場で走らせた経験があるので、その車両哲学、味付けは一定量以上は理解しているつもりだ。

  【 自律と安定性に優れ、人に対して優しい特性の造り 】
  【 国産に例えると、骨太にしたヤマハ車を煮込んだスープの味 】
 
そんな印象を受けた理由を探りに行った報告は以下の通りだ。

 

 

『 発見した、こだわり 』
 
車両は、各部の造りを見続けていれば、設計者の “ こだわり ” や “ 愛情 ”、時には “ 手抜き ” が見えてくるもの
  
BMW の 第一印象は、派手さが無く、国産車の様に若過ぎる造りも無く、頑固で洗練されている印象。特に、操縦性と安定性にはこだわりの強さが表れていた。
 
 
< ロアーヨーク、フロントフォーク 固定部 >

フロントフォークの形式は、その優れた特性と構造の簡易性から、広く使われている “ テレスコピック形式 ” だが、その 弱点 は 剛性バランス の設定と それの保守安定性だ。
  
つまり、“ テレスコピック形式 ” は、簡単な造りにも関わらず、その作動時に起きる トレール量変化 や フォークパイプ しなり感が、ライダーの 操縦感覚にマッチしやすいのだ。
別な言い方をすると、その フロントフォークの 保持・取付け部の 造りや 整備保守の仕方によって、操縦性や安定性が大きく変化してしまう欠点も持っている。
この欠点を嫌って、同社は 「 テレレバー形式 」を 一部車両に採用している程だ。
  
Web1000_20190710_81_20190724181001 

    
で、通常形式の車両を見ていて、思わず見とれたのが 上の車両。
ロワーヨーク( 下ヨーク / 通称:ミツマタ )が フロントフォーク を保持する部分が、剛性要素の配置が良く、見た眼にも美しい。

  
様々な方向に捻じれ動く フロントフォーク からの力に応じて、ロワーヨーク の クランプ部も 上下左右にねじれる様に動かされる、が、最も動いて欲しくない方向 (左右の内側)への剛性は高く取り、ねじれ方向には ある程度許容している形状だ。
その上、締結に一番大きな働きを担う ボルトは、そのボルト長 を十分に取れる形状になっていて、ボルトへのストレスは少なく、経年変化による特性変化が少なく抑えられる設計になっている。
  
参考までに、国産車 2車 と 僕の トラ君( 改装前: 2006年仕様 )の ロワーヨーク部を掲載するので、較べれば、その設計哲学・美学 の違いは分かると思う。

Web1000_dsc_0039

「 CB1000R、必要な剛性は CAD で出しました! 以上、綺麗でしょう、 誰も文句は無いでしょう、学校の成績優秀な人が設計したのですから 」

  
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「 VTR250、はい、お金は掛けず、十分な剛性と操縦性は、長年何台もの車両で実証されていますから ・・、 えっ? ボルト、大きなストレスを受けて、伸びやすいのですか? そういう話はお客様からは伺っていませんが ・・ 」

Web1000_dsc_0039-3

「 ストリート トリプル、 一番の泣き所です。 はい! ロワーヨークの 締結部の肉薄く、締結剛性が安定して出ない以前に、フレーム・ステム部の楯剛性が完全に乏しくて、はい、時々 怖い思いをさせています 」
 
 
 

< ステム部、ハーネス&ケーブル の 処理 >

オートバイの肝は “ ステム ” にあり。
ステアリング軸を支えている ステム と、後輪までの 剛性バランス で 乗り味が決まるし、その味をスポイルする 造り もステム部にあるからだ。
   
これは、僕の持論で、僕が常に行なっている 改良変更は、ステム周りの ワイヤー(電線)ハーネス(束)や クラッチケーブル、アクセルワイヤー を、一旦取り外して、ハンドルが一番ストレスを受けずに 左右に回転する様に、その配置や ケーブルやハーネス の表面に処理を加えている。
  
この ワイヤーやケーブルの表面に処理を加える目的は、ハンドルを左右に回転させた時に、そのワイヤーやケーブル が ステム部フレームなどと強く振れ合い、自然なステアリング操作を妨げ、操縦性に悪い影響が出るのを排除するためだ。
この無駄な摩擦(フリクション)を防ぐのに有効な処置が、スリットチューブと呼ばれている、蛇腹状の樹脂製チューブで覆ってやるのが一番簡便で効果がある。
  
その “ スリットチューブ ” を、今回、BMW 車両で発見したので、嬉しくなって撮影したので、ここに紹介する。
   

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残念な事に、頭の固くて優秀な設計者ばかりの 国産メーカーでは、それらの ワイヤーハーネス や クラッチケーブル、アクセルワイヤーは、ステム部横で ガッチリと固定されてしまって、操縦性に悪い影響しか与えていない。
   
商品部に言わせると、そういうモノは 外から見え難くまとめて、商品性を高くせよ!という事だと思うけど、折角 ウン十万円 ものお金を出した人に、開発時よりも悪い操縦性にして 届けているなんて、ナンセンス としか思えない。
  
が、BMW、全ての車両が採用している訳ではないが、操縦性に “ こだわり ” を持つ、マトモな エンジニア が多く仕事されている会社の様ですね。
 

 

 

 

 

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