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2019年1月 6日 (日)

正月早々、フロントサスペンションは悩みの種

         
『 悩みのフロントサスペンション 』

昨年から持ち越している課題だけど、
トラ君のフロントサスペンションのセットアップを、年越しで悩んでいる最中だ。
   

Img2_web1000

        
オートバイのセットアップの楽しさと難しさは、エンジンと補機類のセットアップを除けば、
サスペンションを思った通りに仕上げる事に尽きる。
   
リアサスペンションは、スプリングレートの選定以外、プリロードと車高の設定には一定の文法があるので簡単。
しかし、フロントサスペンションは違う。
   
特に、コーナリング時のフロントサスペンションの動きは、フロントタイヤの向きを変えるステア特性に直結だから、
難しくて思い通りにいかず、片思い恋の様に悩んでいる。
 
セットアップの基本は、好みの特性のスプリングを選定し、その後は前後車高バランスを取り、バウンドストロークと
リバウンドストロークを、油面で調整するだけ。
   
いつも、組み上げた直後は納得していても、一緒に過ごす時間が長いと細かな点が気になってくる。
もしかすると、結婚に似ているかも知れないね。

 

 
 
『 過去を振り返って 』

 

元々、トラ君のサスペンションは変!と言っているが、解決の為、今まで 10種類以上のスプリングと一緒になってみたのに、どれもしっくり来てなかった。
   
そこで、過去を振り返る事をやってみた。
現在のスプリング(WP製 バンディット400用)を入れた後、変更内容や計測データを書き出して比較した。
  

Img3_web1000

 

このスプリングは街中を走るには優しい性格だ。
単に柔らかいだけでなく、“ コシ ” があるのだ。
どんな路面でも優しく包み込む様にあしらってくれるのだ。
   
しかし、コーナリングになると少し様子が違う。
特に フロントブレーキで追い込む様な場面では、トラ君の悪癖か? かなり気難しいのだ。
   
そんな葛藤の記録を見ていて、一つ気付いた事がある。
それは 1G' 時(乗車時)の フロント車高の低下だ。
へたりなのか?  早過ぎる。怪奇現象みたいだ?

 

 
 
『 次のお見合い候補は? 』


1G' 時車高はフロントフォークの突出し量の調整できる。
そして、ブレーキで追い込む領域はオイル量調整でする。
ただ、今回は “ スプリングジャダー ” で悩まされた。
   
スプリングジャダーとは、スプリングの反発現象。
2次レートへの切り替わりとエアスプリングの立ち上がり、そしてフレームの剛性との関係で出る悪癖。
   
“ スプリングジャダー ” を解消する為にオイル量を減らし、スプリングの変換点との干渉は減って効果挙げたけど、今度はストロークし過ぎてハンドリング不良が出た。
   
だから、次の “お見合い候補” を検討中だ。
全長は 300 ㎜以下で 変換点は 80 ㎜ 前後、一次レートは 0.7 Kgf/mm前後で メーカーは WP を希望。
 

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ここが難しいのは、希望にぴったり合う候補者が居ない事だ。



 
 
『 仮想実験グラフ 』
  
そこで登場するのが、“ 仮想実験 ” だ。
スプリング別に、荷重毎の変位(縮み)量のグラフを描く。
プリロードは、トラ君の基本設定荷重: 10 Kgf だ。
 

Img4b_web1000

      
縦軸が変位量で、横軸は 荷重だ。
荷重 32 Kgf にある赤いエリアは 僕とトラ君の 1G' 時の荷重域。
エアスプリングの影響はどれも同じなので省いている。
   
グラフ線で途切れている箇所は、スプリングレートの変換点だ。
以前、ホンダ純正・ホーネット600用スプリングを使ったが、一番上の青線の通り、1G' 時のすぐ近くにあった関係からか、簡単に “ スプリングジャダー ” が発生したので使えなかった。
   
WP R-6 用 が条件に合いそうだが、線径が 4.5 ㎜ と細い為か、実際に使ってみると 神経質で僕の好みとは違っていた。
こうしてみると、WP ZZ-R 1100 用 が 有力候補かも知れない。
 
以前、一度 WP ZZ-R 1100 用は使った時があった。
その時は、一次レートの高さから路面との当たりがハード気味で、よりレートが低く優しそうなスプリングへ浮気したけど、今は スラストベアリングも入っているから少し違うだろう。
それに、上下ヨークも替わっているからハンドリングも違うだろう。
 
期待して良いかも知れない。
( いつもこんな調子だけど ・・・ )

   



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