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2018年11月26日 (月)

リアスプリング フローティング化 (その7)

 
『 600 LBS/ inch から 575 LBS/ inch へ換装 』

 
リアサスペンションユニット、実際に車両に装着して走ってみると、スプリングレートが若干高い事が判明。 

そこで、600 LBS/inch から 575 LBS/inch のレートのスプリングへの換装が完了した。
  

Img1_web1000

 

さあ、車両に装着して確認しなくては。
今日は、前回の試乗で問題を確認したので、フロントサスペンションのセットも修正する予定だ。
明日は、イベント、『 自由練習会 』 の開催が待っている。
 


『 笑いの試乗 』
   
 
報告!
装着して、一般道を走り始めた時からスプリング変更以前とは違っていた。
600 LBS/ inch のスプリングの時はリアの声が大きく身体に響いていたのが、575 LBS/ inch のスプリングに換装した後は フロントとリアが鮮やかなデュエットで歌い出したんだ。
      
そう!チューンが合ったというか波長が合ったんだと思う。前と後ろのバランスが揃った感じで、直線を走っているだけで嬉しいといったらもう!  停止線に停まっただけで笑いたくなった、いや笑った! 程でした。
そして、換装前はターン開始時にちょっと前と後ろの間で不協和音が流れて、意志疎通が出来ていない感じで、嫌な気持ちが溢れていたけど、今回は スムーズに前後が無理を言い合わず違う感覚がビンビン。
   
あぁ、でもフロントの
ストローク感がちょっと舌足らずなので、2㏄か3 cc フォークオイルを抜いていこう。
1G‘ 時(乗車時)の車高には大きな問題はなさそうだ。

 

 
 

『 フロントの調整 』
 
試乗の結果、フロントサスペンションの
ストローク感を出すために フォークオイル抜くことを決め、思い切って 3cc 抜く事にする。

 

Img2_web1000

   

何事にも、バランスが出てきている時には、その調整量には十分に気をつけなくてはならない。 バランスが反転するポイントだからだ。
フォーク内部のカラーは、フォークオイル調整に備えて、スリット加工済み。
フォークオイルを抜く為のシリンジにつくパイプも、フォーク内部、アウターチューブとカートリッジとの狭い隙間でも挿入出来るように加工済みだ。
     
カラー(スペーサー / スプリングガイド)に開けたスリットから、カートリッジ延長用の自作アダプターが顔を出す。
また、カラーの下座面には、スプリングのストレスフリー化のため、組み込んだスラストベアリングセットの横顔が見える。

           

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フロント周りを触った時は、各部のストレス(応力)を取り去るために、必ず行なうのがフロントフォークの整列作業だ。

 

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必ず直立状態にした状態で、最初に各部品を結びつけているピンチボルトを軽く緩めてストレスを発散させてやる。
そして大切な部位から順に決めた締め付けトルクで締めていくが、その締め付けトルクは、下ヨーク( 通称 三又 ) が メーカー指定の 20 Nm から 16 Nm へ、上ヨーク ( トップブリッジ) が指定の 26 Nm から 22 Nmへ、 アクスルシャフト 固定用は 22 Nm を 20 Nm に変更して、いつも同じ値になるようにする。
小さな事だけど、締め付けトルク値 や 締め付け順を変えてしまうと 車両が別の表情になってしまので 要注意だ。
   
さあ、これで一段落だ。
明日のイベント・
自由練習会で使用する機材をパッキングして帰宅だ。
いつもの会場、いつもの路面でどんな顔を見せてくれるか、楽しみだ!
  
    

 

『 番外編・フロントデータ記録 』

 

前回の仕様での試乗で リアとフロントがマッチしていない事が判明し、気持ち良い働きを見せるようになったリアを元に戻す事は考えず、フロントをリアに合わせて仕様変更を検討する事になった。
そして、その仕様変更を行なう為には、以前からのフロントのデータを参照するのが最善の策だ。

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そのデータの中で最も重視するのは、0G 時 と 1G'時 のフロントの車高と 残ストロークの値。そして、その際の 使用タイヤ銘柄と試乗インプレッションだ。
フロントの基本的な性格は その 0G時(伸びきった時の)車高と 1G' 時(乗車時)車高、そして縮みきった時の車高・残
ストローク で決まると言ってよく、それは 使用するスプリングとオイル量、セット位置で決まる。

   
  
   *  *   以下、完全に番外編   *  *
 
   
スプリングの性格(仕様)によって、負荷の大小による 1G’ 時の位置からの変化量、変化速度が変わり、それがオートバイの旋回時の性格と特性を決めしてしまう。
つまり、サスペンションはスプリングによって性格がほぼ決まり、オイル量やセット位置によって扱いやすい領域に合わせていくのが基本なのだ。
      
誤解してはいけないのが、イニシャル荷重(プリロード)とダンパー調整だ。
フロントサスペンションのイニシャル荷重は、車両とライダーが決まればほぼ一定の値が決まるので、スプリングのレートに合わせて組み付け時に縮ませておく量を決めれば “ 基本セット ” 出しは済み、それから大きく変更する事は無い。
因みに、トラ君と僕の場合の基本イニシャル荷重は 9.5 Kgf だ。
   
また、ダンパー(
ダンピング調整)はサスペンションにとって大切な要素だが、スプリングが肉料理の “ 肉 ” だとすれば “ 塩 ” だ。 必要だけど それだけでは食べられない。

 

     *  *   更に 話は横道に   *  *

    
社外製の高額のサスペンションユニットに交換すると “ 良くなる! ” と思っている人は多いが、それはちょっと違う。
でも、サスペンションの基本は スプリング だから、本当は 高品質のスプリングへ交換を考えるべきなのだ。
けれど、ダンパーとスプリングがセットで販売されているユニットでは、どうしても “ 塩 ” 役のダンパーに目が行き、調整段数が多い事が高性能の証しだと信じている人は多いだろう。僕もそうだった。
調整段数(クリック数)のトリックや 社外製ユニットの事情については、また近い内に。
    
参考までに、トラ君のフロントデータ(抜粋)の一覧を掲載している。
細かい文字なので、肝心な個所を大きく表示した表も掲載するが、フロントサスペンションのセッティング方法も含めて、
いずれ解説してみたい。
    
 

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