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最適トルク設定は常識。 しかし ・・

   
車両の基本的設計の問題のため、不出来な箇所が次々と頭を出すトライアンフ君。
最も深刻なフロント周りの安定性の低さ、ギャップ走破時のマナーの酷さの解消に一定の目処が立った今、俄然、目立つようになったのがリア周りのリジット感、作動性に悪さだ。


『 リア周りの動き改善のために ・・ 』

リアサスペンションの動きが感じ難く、路面とのグリップ感、トラクションを充分に使い難いので行なってきた対策は、リアのスリングレートを最適レートへと下げ、サスペンションユニットをよりフリクションの低いモデルへ換装し、そしてサスペンションリンク周りのボルトの締め付けトルクを 約22% 下げて一定の効果を出した。

さらに、ユニットとリンク周りのボルト全てをフローティング化して効果はあったものの、まだ物足りず、リアのスプリングをフローティング化するために部品製作を進めているけれど、もっと簡単な “ 一手 ” を思い出したのだ。


『 思い出した “一手” 』

「 そういえば・・ 」と、思い出した “ 一手 ” は “ 最適トルク設定 ” だ。
フロント周りではサスペンション周りからステアリングステム周りまで散々行なってきたけど、リア周りの大きな部品ではやっていなかったのだ。
リアスイングアームとリアホイールの締め付けトルク調整だ。

スイングアームをフレームに固定するピポットシャフトの締め付けトルクと、リアホイールをスイングアームに固定するアクスルシャフトの締め付けトルクを変更したのだ。
メーカーが指定するピポットシャフトとアクスルシャフトの締め付けトルクは共に 110 Nmで、今までは律儀に守り続けてきたけど、今回は一気に 88 Nm へと下げてみた結果は?
   

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『 笑ってしまう程の効果が・・ 』

スタンド状態からフリクション減少は感じられ、スタンドから下ろして押し歩けばその効果は確信に変わり、走り出せば笑ってしまう程に大きな効果だったのだ。

リアサスペンションの作動性が向上した他に、直進安定性の向上、ターンイン時の操縦性の向上、そしてターン中の安定性とパワーON時のリアコントロール性の向上など、良い事ばかりだった。

試乗の印象では、最適なトルク値は 95 Nm 位の可能性もあるが、現状では前後の剛性バランスが崩れている印象だ。今まで、リア周りに合わせてきたフロント周り剛性バランスを、トルク設定を下げて作動性が向上してレスポンスの良くなったリア周りに合わせて、フロント周りの作動性や作動領域を見直す必要が見えてきた。

少なくとも、フロント周りの締め付けトルクの設定を下げ、その剛性をリア周りに合わせて若干低く調整する必要はある筈だ。
 
 
( 話は変わって ・・・・・ )

イベントで、車両オーナー本人の同意とインプレッションをもとに、アンダーブラケットのフォーク固定ボルトの最適トルク調整をした。
当然、本人も違いと効果をはっきり感じて納得していた。

しかし、先日会った時には、正確な知識の把握や理解不足を棚に上げたまま、
「 結果、16 Nm にしてあるトルク値は、ボルトの緩みを誘発するリスクが大きいのでは?」
「 16 Nm にした時の効果は、フォーク内部の設定変更で得られたのではないのか? 」 と質問の嵐が来た。

疑問を持ち、質問があるのは良い事だが、少し勘弁して欲しい気持ちにもなった。
締め付けトルクの調整は、剛性バランスを最適にする為のもので、フロントフォーク内部の設定変更で得られるものではなく、様々な部品の組み付け作業の最後に必ず必要な作業だと説明しても納得してもらえない。

ボルトの緩み防止は、ネジ山の汚れやキズを本来の綺麗な状態にして、座面を平滑でクリーンに整えて、適切なトルクで締め付ける事が基本で、適正トルク以上のオーバートルクでボルトを締め付ける事は、ネジ山の変形や座面の破損を招き、却って緩みを誘発する事は前回の時にも説明済みだ。

まして、ボルトを扱う度にネジ山や座面の汚れや傷を確認して綺麗にしなければ、例えメーカー指定の締め付けトルクで締め付けても、ボルトに必要な軸力を与えられず、それも緩みの原因になる事の理解にまでは辿り着けなかった。

もちろん、説明能力の不足が原因の一つだと認めるが、ボルトは軸力、つまりはネジ部の伸びによって部品を固定している事実や、ネジ山のコンディションを整えず指定トルク値で締め付ければネジ山の変形や緩みに繋がる常識、そして、ボルトの締め付けトルクを調整して車体の剛性バランスを取る必要性や大切さの理解が、何故、広まっていないのだろう?
 
 
経験上、最適トルク値はメーカー指定値より低いものなのに。

 
 

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