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2016年12月 1日 (木)

「サークル理論」が導く、オートバイライディング

   
オートバイのライディングは、車の運転と較べてシンプルです。
何故なら、その運動特性が車よりずっと簡単な理論で解析できるからです。 
   
「サークル理論」は オートバイの運動特性を的確に説明できる理論ですから、「サークル理論」を理解すればオートバイライディングがもっと楽しく、安全になるでしょう。 
 
では、「サークル理論」について、2016年11月13日開催『 GRA講習 』の 「通信ボ」から抜粋して案内します。 
 
 
   *   *   *  以下、GRA公式Webサイト より抜粋  *   *   * 
 
 
【 サークル理論と180度ターン 】 

この原理は、「イベントリポート」で解説している通り、オートバイの走行ラインは常に円弧を描いており、その円弧の半径は速度とバンク角によってほぼ決まるという事です。
   
そして、バンクしたまま減速を行なっている場合には 円弧の半径が徐々に小さくなる曲線 = 「クロソイド的ライン」の走行ラインを描き、同様にバンクしたまま加速を行なう場合にも 円弧の半径が徐々に大きくなる曲線 = 「クロソイド的ライン」を描きます。 
   
では、このサークル理論を180度ターンの場合で示すと下図の通りとなります。
  180turncircle_theory_2  
上図の「基本サークル」とは、ターン中の減速によって最も低くなった速度を保った場合に、オートバイが自然に描く走行ラインです。(運動法則により、一定の速度、一定のバンク角では一定の円を描きます)
別な言い方をすれば、想定する最低旋回速度が高い場合には「基本サークル」の半径を大きくする必要があり、逆に速度が低い場合には半径を小さく想定する事になります。
   
また、「クロソイド的ライン」とは、一定のバンク角(またはバンク角変化)と一定の減速度を保った時に描かれる走行ラインです。
つまり、一定のバンク角と減速を行なう限り、そのラインはターン進入開始した地点とその時の速度によって決まり、進入してからライン変更を試みる事は運動法則に抵抗する危険な行為とも言えます。 

   

【 サークル理論の応用】

上図は 180度ターンの場合での 「サークル理論」の応用ですが、実際の公道走行でも場面に応じて様々な大きさの「基本サークル」を想定して、それに合わせた「クロソイド的ライン」にオートバイを載せることによって、安定性や安全性の高いライディングに近づける事ができます。
   
ここでは、今回の GRA講習 で制作した「タイムトライアルコース図」を使って説明します。 
  20161113_c_web525
   
スタート直後、2本のパイロンで作られたセクション だけを抜き出すと右図のようになり、この時、スタート位置から最初のパイロン(〇印)までの距離は 約 18mほどですから、最初のパイロンでの 左旋回(基本サークル)は中程度の大きさで、次のパイロン左旋回も同程度、そして 次の左旋回は 曲がり角も少ないので基本サークルも大きめに想定できます。
   
スタート直後のセクションを、ターン別に「基本サークル」とクロソイド的ラインを書き入れると下の図のようになります。 
   20161113_base_circle_a  
ターンに合わせて、「基本サークル」を 3個配置するのが一般的で、その大きさは 想定する最低速度に合わせて、位置はターンをする角度に合わせて設定します。
   
普段は、オートバイの特性を深く理解しないまま、右へのターン、左へのターンを行なう事も多いと思いますが、この「基本サークル」というオートバイの自然な運動法則に沿った考え方をすれば、もっとストレスの少ない、安定した安全なライディングになるでしょう。
   
さて、初めて走る道路やコースで、上図のように「基本サークル」と「クロドイド的ライン」が見えるようになれば十分に上級レベルですが、下図の通り、更に別の案も提示しますので、興味のある方は、是非、その目的や狙い、走行ラインなどを想像してみてはどうでしょうか。

では、また次の機会に。

      20161113_base_circle_b    
   
   
 

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