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セッティング講座 ・ リアの車高(調整)編 <その2>

   
前回の解説では、オートバイの「 スィングアームの垂れ角 」はオートバイにとって大切な要素(ジオメトリー)と書いたが、実は少し話をはしょり過ぎたようだ。
 
早速に、読んでくれた方から「スィングアームの垂れ角って・・? わかりません!」と指摘を受けたんじゃ。
 
いくら大切じゃ!と言ったって、「スィングアームって何?」と思っている人も居たじゃろう。
きちんと解説を進めんかった事をお詫びする。
既に言葉(用語)が理解できている人も居ると思うが、大切な所じゃから、もう一度説明させてくれ。
 
 
【 スクングアームって? 】
 
みんなの乗っている殆どのオートバイには、「スィングアーム」という部品が付いていて、その「スィングアーム」はとても大切な働きを任されている事から説明しよう。
 
Swingarm_1
 
上の図を見て欲しい。
「スィングアーム」という部品は、リアホイール(タイヤ)とオートバイの車体(フレームまたはエンジン)を結びつけている部品じゃ。
リアホイールが取り付けられている車軸(アクスルとも言う)と車体側のピポットの間にある部品で、上の図(CB1300SF)の場合にはアルミの地肌色(銀色)の部分じゃ。
 
その「スィングアーム」があるから、リアホイールは外れたりせず地面にエンジンからの力を伝えられるし、リアサスペンションの大切な働きが出来るのじゃ。
 
ぜひ、皆も色々なオートバイの「スイングアーム」を観察しておくれ。
色や形や大きさなど、オートバイによって色々と違っているけど、どのオートバイでも共通する特徴に気付く筈じゃ。
   
そう、「スイングアーム」は斜めになっとる。
リアタイヤの車軸(アクスル)は低くて、車体側のピポット側が高くなっとる。
これが、「スィングアームの垂れ角」と言って、ほとんどのオートバイに必要なんじゃ。
 
 
【 スィングアームの垂れ角の目的 】
 
では、もう一度、図を見ながら説明しよう。( モデルは、Ninja 1000嬢だ )
 
Swingarm_3
Ninja1000 の場合、スィングアームは黒いからちょっと見にくいが、リアホイール中心部を固定している車軸(アクスル)と、車体側でスィングアームを固定しているピポットを確認して欲しい。
その間にあるのがスィングアームだ。
 
では、実際にライダーにまたがってもらおう。
(※ 実際にライダーが乗車した状態=1G'時 で考えるのが基本じゃ )
Swingarm_4
 
この時、2本の赤色の線が交わる角度が“ スィングアームの垂れ角 ”なのじゃ。
赤色線の内、1本は スィングアーム(車軸とピポットを結ぶ線)で、もう一本は地面と平行の線じゃ。
 
この説明で、「スィングアームの垂れ角」の事はある程度理解してもらえたじゃろう。
それに、ほとんどのオートバイには 「スィングアームの垂れ角」がある事もわかってくれたじゃろう。
 
そこで、ワシから皆に質問じゃが、いいかのぅ?

質問 1.は、 「スィングアームに垂れ角がつけられている理由は?」
質問 2.は、 「スィングアームの垂れ角は何度でもいいのか?」
 
 
【 ほとんどの人が知らない垂れ角の重要性 】
 
実は、「スイングアームの垂れ角」(乗車時 = 1G'時)は、オートバイの走行時の安定性を左右する大きな要素で、その角度が適切に調整されていないと乗っていて怖く感じるばかりか、時にはリアタイヤのグリップが不安定になって転倒する危険性さえ大きくなるのじゃ。
 
しかし、そんなに大切な「スィングアームの垂れ角」なのに、その角度がつけられている理由や、最適な角度の求め方(調整の仕方)をきちんと解説されている本は殆ど無いし、ベテランライダーや熟練整備士でも正しく回答できる人は少ないじゃろう。
   
だから、質問の1.と2. の答えが分からなくても当たり前だし安心して欲しい。
そんな皆の為に、出来るだけ分かりやすく説明をしていくので、一緒に付いて来て欲しいんじゃ。
   
そうすれば、オートバイの事をもっと身近になって感じてやれるようになるだけじゃなく、以前に解説したリアサスペンションの「プリロード調整」のもう一つの大きな目的を知る事になるのじゃ。
   
ここで、最初に“プリロード調節の結論”を言っておこう。
「 プリロード調整は、スィングアームの垂れ角調整のために優先して行なうべきで、1/3調整は補足的に考えるべき 」
   
一般的によく言われている、リアサスペンションは乗車時(1G'時)に作動域の1/3の位置を基本に調整する、という事に反している様に聞こえるが、スィングアームの垂れ角の重要性を考えれば、垂れ角を適切にする調整を優先するのが当たり前だという事は理解できると信じている。
また、最適なスィングアームの“垂れ角”はライダーに合わせて一つしかなく、それ以上でもそれ以下でもオートバイは本来の能力を発揮せず、オートバイとの一体感は味わえないという事も理解できるじゃろう。
   
では、この続きは次項まで、楽しみにしといてくれ。

    *    *    *    *    *   *

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