自転車作り (その8) 「公道デビュー直前に!?」
自転車作りも佳境に入り、全ての部品が揃い、いよいよ組み付けに入りました。
組み付けと言っても、部品をそのまま単純に組み付ける事はしません。
部品に貼られているロゴシールなどの飾りを剥がし、気に入らない色は塗り替え、軽量化できる部品は削り、部品同士の“アタリ”を付ける加工を加え、場所によって塗付するグリスを選びつつ、正確にアライメントを出しながら組み立てていくのですが、この工程こそが何よりも楽しいのです。
しかし、色々と不具合な点も出てきた日曜日となりました。
【 前輪が大きい ? 】
ガレージの中で作業している時には判らなかったのですが、前輪が大きいのです。
もちろん、殆どの自転車と同じで、前輪と後輪の大きさは同じなのですが、殆どの部品を組み付けた後で見れば ・・・、前輪が後輪に較べて大きく見えるのです ♪
1作目の時とは趣旨を変え、黄色が基本の配色は変えずに黒と銀の配置を変更して、所々に赤をアクセントとして配色したのですが、どうもそれが“悪さ”をしているようです。
特に、タイヤに入っている赤のリボン(帯)が効果を発揮しているのか、ハンドルを支える部品「ステム」を黄色にしたのが効いているのか、配色のバランスが悪くて前輪を大きく見せている様です。
やっぱり! 配色デザインは難しいですね。
前後でバランスが取れるように、前輪タイヤの色を変更して、シートとペダル(クランク)の間に“黄色”を配置するなどして、全体のバランス補正の作業が楽しみ(?)です。
【 リア 10段(速)の筈が ・・ 】
リアのギア(スプロケット)は 10段(速)にして、シフター(変速レバー)も 10速仕様にしたのに ・ ・ 、8段(速)の変速しかしないのです。
実際の変速作業を担当している部品(ディレイラー)の調整をするだけで完璧!の筈でしたが、さほど難しくない調整を何度繰り返しても“10速”にはならず、変速していくと途中で2段(速)を飛ばしてしまい、結果的に8段(速)になってしまうのです。
改めて、部品メーカーの仕様を確認して、原因が判明しました。
今回購入したシフター(変速レバー)が、従来の仕様とは異なり、新しい規格になっているため、変速作業を担当する部品(ディレイラー)もその新規格に沿った部品に変更する必要がある様です。
前作の第1作目の自転車に続き、ロードバイク仕様の部品とマウンテンバイク仕様の部品を組み合わせる仕様御となったので、メーカー側が保障していない組合せを選択するリスクは覚悟していたのですが ・ ・ 、単純に“確認不足”による失敗でした♪
【 走行テストの軽さ 】
・・と、幾つか失敗はありましたが、こうして組み上がれば、ペダルを取り付けて走らずにはいられません。
ペダルを装着した段階で、簡易的に重量計測してみると、7.9 ㎏ !!
目論見通り、部品毎の軽量化作業も効いたのか、最大サイズ(560サイズ)の自転車としては、充分に納得の 7.9 ㎏ です ♪
実際に、サドル(シート)の高さや角度を調整し、ハンドルやブレーキレバーの角度調整を行ないつつ、実装テストの感想は「 軽く、前に出る! 」でした。
車両自体の重量の軽さもありますが、実感したのは ロードバイクとしての素性の良さです。
やはり、今回採用したロードバイク用フレームは、舗装路を高い速度で長く走るのを目的として設計されたフレームですから、サドルとペダル(クランク)との位置関係や前後輪の配置(ディメンジョン)、そしてフレームの剛性バランスがロードを走るのに適しているのでしょう。
( 例えば、5㎏の 超軽量“ママチャリ”があったとしても、ロードバイクの様には走れないと言えるのと同じですね )
1作目のフレームはマウンテンバイクでしたから、これでようやくロードバイクの“ありがたさ”に貧弱なエンジン(脚力)が感謝しつつ、更に色々な所へ遠出できますね ♪
【 子供扱いされる日本人? 】
それは、世界的に有名な日本の部品メーカー・シマノ社の対応で感じた事でした。
ブレーキレバー(ユニット)とシフター(変速レバー)を、メーカー側の規格仕様に従って選択したのですが、実際に届いた部品を確認すると、同じ規格でも仕様が異なるために組合わせられない事があったのです。
インターネットを利用して検索したところ、日本語で書かれたページでは仕様の違いについて触れてある箇所はなく、英文で書かれたページでは PDF資料で図解まで書かれた詳細な仕様の違いが説明してあるのです。
どうも、英文サイト用には 詳細な情報をきちんと公開している同社は、日本語サイトでは図解はおろか一切の説明文の記載は無いのです。
そこで、メーカーの相談室へ電話をして、「仕様の違いを公開するように」という要求の他、購入した部品の組合せに必要な「英文ページで公開されている部品購入の可否」を尋ねたところ、「どうにかするので、両方の部品を一度送付して下さい」との回答があって、購入した仕様違いの部品を一旦送付しました。
結果的には、メーカー側で仕様違いを補正する部品に交換して、きちんと組み合わせられた状態で返送されてきたのですが、実際には釈然としない気持ちが残りました。
といのも、これは自転車部品メーカーだけの話ではなく、オートバイの世界にもある、“子ども扱い”だからです。
(閑話休題) ・・ ホントは、自分で変更用部品を調達して改造したかったのです。
ご存知の通り、日本のオートバイメーカーも世界的に大変に有名でシェアも高い会社ばかりですが、それらの会社の場合でも日本人に販売する場合と海外(特に欧米向け)に販売する場合とでは、はっきりと扱い方が違います。
それが端的に判るのが、新車時に配布される「ユーザーマニュアル」の違いです。
私自身も“逆車”と呼ばれる、日本のオートバイメーカーが日本国内で製造した海外仕様車を何度か購入した経験もありますが、日本仕様の場合には簡単な内容だけが記載された薄っぺらな「ユーザーマニュアル」が配布されるところ、海外仕様車の場合には車体各部の分解部品図まで記載された分厚い「ユーザーマニュアル」が配布されるのです。
これは、恐らく、国民性・民族性の違いに適合させた対処の違いがはっきりと表れているのでしょう。
日本人は、自身が責任を持とうとする範囲が狭く、欧米では各自が責任を持って対応する事が求められているのでしょう。
(閑話休題) ・・ 話は更に一気に国際性を帯びてきますが・・
話は多少変わりますが、それは情報の分野でも同様な違いがはっきりと出ています。
例えば、イラク戦争の現場の実情を知り、それを不正に感じてイラク戦争に関わる各国間でのやり取りや戦闘映像を暴露したマニング上等兵や、米国の一般市民の情報を秘密裏に収集していたCIAの活動を暴露したスノーデン元CIA職員などの存在と、彼らの行為を正当なものとして支援活動をしている多くの市民の存在にも表れています。
翻って、尖閣諸島沖で日本の巡視船に体当たりを繰り返した中国漁船の映像を暴露した元海上保安官・一色氏に対する一般国民の関心度の低さとの差にも、国民性の違いが感じられます。
日本人は基本的に他者依存的な行動を取り、欧米人では国やメーカーにさほど依存せずに自身で検討して対処する姿勢が強いのだと、様々な機会で感じますし、それらの国民性の違いから 世界的に有名な日本メーカーでも、日本人に対しては情報を与えない“子供扱い”的な対応をしている点は問題だと考えています。
が、このテーマは別な機会に取り上げる事にしましょう。
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