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2007年8月 9日 (木)

横綱 と 相撲協会

私は相撲の観戦はとても好きです。
「八百長(やおちょう)さ!」 と陰口叩く人も居るけど、15日間(十両力士以上)毎日力一杯、知恵や策略も交えながら、時には怪我や疲労に悩まされながらも、短時間で決着する体一つでの戦いだからだ。 “試合”と呼ばれるモノでこんなに短時間に終了して、しかも次から次へと対戦カードが続く形式だからこそ楽しいのだろう。

ところが、その相撲協会の体質か判断基準の不安定さを感じる“事件”が最近あって、実は改めてその業界に幻滅を感じている。
ご存知の方も多いと思うが、モンゴル出身の横綱が“仮病”を使ったとしての処分があった。 その処分も 二場所休場から、本人と親方(所属部屋の代表者/通常は元力士)が減棒になるという、重い処分です。

そのふてぶてしい風貌や圧倒的な強さからか、どちらかと言えば嫌われキャラにも見える横綱ではあるが、医者の診断書を添えて夏巡業という仕事に出るのを休んで母国に帰っていた時の様子を協会は問題視しているようなのだ。
「怪我をして公傷扱いで休んでいながら、母国で笑いながらサッカーをするとは何事か!」 という理論のようである。

私は、この判断と処罰の進め方に深い疑問を感じている次第です。
横綱は腰の骨の骨折という医者の診断書を添えて申請して、協会はその申請を受理しているのであれば、何故、改めて 診断書の精査をするなり、別の医者の診断を受けさせて確認をするべきではないだろうか。
どんな姿勢で土俵から転落するか分からない相撲ではリスクの高い怪我でも、母国のスターとして親善サッカーで軽いステップを踏む位の動きでは殆ど影響の無い怪我もありえるのではないか?  もちろん、診断書を見ればそれもはっきりするのであろう。

協会は、こういった処置をしたのかどうかさえも一切報道の場であらわさず、診断書を受け取り受理した立場としての責任も明確にせず、ただただ一方的に 横綱を帰国させて、医者といっても精神科医に診断させ、満足のいく診断にならなかったのか、その後で別の精神科医にも診断させ、処罰を下し、「親方、あんたが監督責任が原因だから、後はきちんとするように!」 と言わんばかりに、その処罰を決定した協会側の“担当者”は一切報道の場で説明をしようとはしないなんて!

現場から叩き上げられた人達がやがて現場を離れ、全体を管理する職務へと順繰りに映っていくシステムは普通の会社でもよくあるシステムです。
ただ、経営や広報などのマネージメント能力は現場職の経験だけでは身に付かない事も容易に想像もでき、組織が国を代表するスポーツや文化を担う重圧を受ける事もしかりである。
時として見せる脆弱さは後進のリクルートや育成にも大きな影響を残し、力士の減少から入場者の減少、放送枠の減少へとつながってしまうのが一番の心配である。

せめて、“叩き上げ”組以外に、経営や広報の優秀な指南役を外部から招聘してきちんとしたポストで処遇するほどの太っ腹を見せて欲しいものではある。

どんな判断を下したとしても、それが多くの方々に大きな影響を与える決断であればあるほどに、公明正大、ゆるぎなく明確な信念と誰にも分かりやすい説明(広報)のできる人でありたいものです。
私も日々連続する決断の一つひとつに心を込められる人として生きていきたいと願う。

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